《利用者は“手段”じゃない-敬意と共感のない福祉は続かない-》
代表の長谷川です。
最近、SNSで、「福祉ビジネスは儲かる」「初期投資が少なくて参入しやすい」「補助金があるから安心」といった、福祉をビジネスチャンスとして語る広告をよく見かけます。
でも、私は、そうした考え方に強い違和感を覚えます。
福祉、特に障害者福祉は「人を相手にする仕事」であり、しかも、「生きづらさを抱えた方の人生に深く関わる仕事」です。
福祉とは、「他者の幸せに本気で関わる仕事」であるからこそ、その根底には“敬意”と“愛”と“共感”、すなわち利用者への「リスペクト」があるべきだと思います。
もしリスペクトがなければ、利用者は“お金を生む手段”のように扱われてしまいかねません。スタッフも理念を見失い、単なる作業者になってしまいます。その結果、現場が疲弊し、利用者もスタッフも誰も幸せにならない-そんな未来すら想像できます。
逆に、障害のある方々に対するリスペクトがあれば、一人ひとりの「生きづらさ」や「可能性」に真剣に向き合える。小さな変化や成長を心から喜べる。そして長く信頼関係を築ける。そんな温かい現場が生まれます。
福祉の本質はどこにあるのか-。
私は、「この人が少しでも自分らしく、誇りを持って生きられるように」「この社会に、“自分の居場所がある”と感じられるように」・・・そんな気持ちが出発点であるべきだと思っています。
これから福祉を志す人たちには、「福祉とは、人の尊厳と向き合い、人の人生に深く関わる仕事である」ということを、どうか心に留めていただきたいと願っています。